車輪の国、向日葵の少女

楽しめた度:★★★★★

 

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日本によく似たとある架空の国の物語である。その国では罪を犯すと懲役に代わり、その罪に応じた「特別な義務」が科せられ、その犯罪者は「特別高等人」という超法規的存在によって更生指導される。主人公・森田賢一はその特別高等人を目指す候補生である。最終試験の課題として、田舎町にいる3人の少女を更生するよう指示される。

 

あらすじからして鬱な感じがしたので先延ばしにしてた作品

存在も忘れてた頃、お勧めされたのがこれだったのでふとプレイしてみたら

とんでもない作品だった

 

ストーリーは重いものの、読ませる文章で苦がなく

用語や補足に関しては賢一が独り言として「あんた」に話しかける事で無理なく(?)進む

9割共通で合間に少しとラストだけ変化するくらい(なので初回以降はほぼスキップ放置)

終わってみると少し物足りない気もするが正直各ヒロインにそこまでの思い入れもなかったので丁度良かったのかもしれないw

 

  •  好きキャラ:磯野

 

以降ネタバレ含む

 

 

前半はとにかく各ヒロインの問題に対してハラハラし続けた

 

さちは1日が12時間しかない義務

時間を制限するために薬を使用して停止させるが、その停止には睡眠時間は含まれていない

自堕落な時の考え方は身に覚えがあるというか誰もが考えることだと思った

まなの器のデカさよ

 

 

灯火は大人になれない義務

親の命令に関して絶対的に従わないと違反

自分が子供時分にそうなっていたら何度強制収容所に入れられてるか…

親から「あれしろこれしろ」言われれ育って、いざ一人になったら主体性が持てないのもすごくリアル

最終的に誰よりも強い意志を持てるようになってよかった

 

 

夏咲は恋愛できない義務

異性との接触も双方違反になる

これもらい事故起こったら最悪だなと、別の方向の恐怖を感じた

ぶつかったとかだけなら大丈夫って言ってるけどそれも裁量次第

夏咲自体にあんまり好感持てなかったけど、法月に対しての強い発言は格好良かった

 

 

凛々子は存在を認められない義務

いてもいない扱い、話しても目を合わせてもだめ

義姉というより性的いたずらする痴女みたいだったので、最初はなんのためにいるのかわからなかったけど

(賢一のシスコン具合や家族についての思いは別として)

 

物語が5章に入ってからの怒涛の展開に凛々子の重要性があったとは

賢一の独り言の「あんた」がプレイヤーである私でなくいないもの扱いされてる凛々子へ向けての言葉だったことに鳥肌が立った

 

散々フラグがあったものの全く気がつけなかった上に

そこから法月との騙し合いもただただ衝撃を受けて興奮し続けた

 

 

縦穴を登りきって「あれから○年―」なエピローグだったのは

え、もう終わり?ってなったけど

各ヒロインの新しい未来が進められる様子が少し見られてよかった

ダラダラとしてたら多分飽きちゃうしね

 

PSP版をプレイしたので法月編も

衝撃受ける場面は多々あったものの、本編には敵わなかった気がする

みぃなが実は強い意思を持っていたときは感動したし、「黙れ、下郎」からの序章タイトルへの繋がりはたまらなかった

 あのあとどうなったか気にはなるけど

なんでだか本編より名残惜しくなかったので

ある意味完成されてるのかな

 

 

 

兎に角にも名作と言われる理由に納得できる作品だった

あくまでも架空の国の話だけど(そもそもそれ以前にゲームだけど)、生き方についてゆっくり考えさせられる話で

心をわしづかみにされました

すっっっっごい面白かった!!!